結婚は点ではなく、線である

結婚とはいうまでもなく線です。結婚式に憧れる人は多いですが、それは点。その後の日々の生活は線です。親や友人に祝福される期間は数ヶ月ですが、結婚生活は何十年と続いていきます。

生まれ育ちが異なる男女が契約を交わし、住まいを共にし、運命共同体として生活を営んでいくうえで、価値観や生活習慣の違いから衝突が起きるのは当然のことのように思います。

点で考えれば、今現在の容姿がイケメンだとか美人だとか、一時的につくってくれたお弁当が美味しいだとか色々とありますが、線で考えれば、次第に老いていく訳ですし、容姿よりも一緒にいて気楽だとか落ち着けるとか、人生観が似ているとか、そういう根本的な相性の方が重要ではないかと考えています。

なので、容姿重視で婚活をしている人が苦手です。男女問わず、写真で選り好みをしすぎている人や、お見合いをした後に顔がどうのこうの言っている人に苦手意識があります。「人の顔を批評する前に、あなたの容姿はどうなのよ?」と問いたい気持ちをグッと我慢している今日この頃です。

結果的に、外見や年齢などの外見レベルでの婚活から、趣味嗜好や性格などの内面レベルにシフトした途端、成婚が近くように私は考えています。特に印象深かった2名の40代男性がいらっしゃるのですが、どちらも自分よりも10歳近く若い女性との結婚を希望していたのですが、ある程度条件がいいので、たしかにお見合いは成立するものの、なかなか交際が進展しませんでした。

10歳も歳の差があると、共通の話題がなく苦労したようです。次第にご自身との年齢が近い女性とお見合いをするようになり、ご自身の感覚としてしっくりくるものがあり、お一人は2歳違い、もうお一人は5歳違いの、どちらも40代の女性と結婚されました。

「子供が欲しくて1歳でも若い人が良かったんですけど、今では●●さんと一緒にいられる方が幸せです。」と、退会時におっしゃられたのは今でも思い出に残っています。

ご自身が容姿に自信があり、魅力的な条件の持ち主であれば、いくらでも外見を最優先にした婚活で良いと思いますが、最終的には人と人の価値観や性格的な相性、似た雰囲気などに惹かれて成婚に至るように思うのです。これは他人がアドバイスをしてすぐに変わるものではないので、ある程度の数のお見合いや交際経験の数稽古をこなして、ご自身に気づいていただけたらと切に願っています。